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01開業のメリット・デメリット

開業するにあたっては様々な検討事項がありますが、勤務医時代には得られないそれ以上のメリットが期待できます。

なぜ、開業するのか

  • 自分の裁量で自由に仕事がしたい(プライベートの時間を作りたい、医局の人間関係に煩わされたくない)
  • 勤務医ではできなかった独自の診療スタイルを実現したい
  • 生まれ育った地域に医療を通じて貢献したい
  • 親が開業をしていて、その事業を承継するため
  • 経済的成果(今より多くの収入)を得るため

開業することで
責任や負担が増えること

  • 代診など代わりがいない
    (体調不良、学会参加など)
  • 集患・増患の対策を自ら行う必要がある
  • 患者からの訴訟に対し全面的に矢面に立つこととなる(従業員行為含む)
  • 経営者(資本家)として資金負担が発生する(設備投資資金、運転資金)
  • 従業員の労務管理を行う必要がある(人材確保、トラブル対応)

前述の通り開業することのメリット・デメリットには様々ありますが、ここでは主に収入面での違いを中心にご説明したいと思います。開業することはリスクを伴う分、リターンも大きいことが魅力の一つと言えそうです。

勤務医と開業医の収入の違い

勤務医と開業医の収入の違いとして、勤務医は給与収入、開業医は事業収入=「収入」-(「経費」+「事業借入の返済」)となります。統計では勤務医の1.7倍の差があると言われています。しかし、開業医の収支差額を賄っている費用としては報酬の他、事業借入の返済、病気などで休業した場合の所得保障や将来のための積立(修繕費、設備投資、引退後の生活補償など)といったものが含まれ、勤務医の給与とは内容や性質が異なります。

病院勤務医とクリニック医師
(開業医)の給与比較

出展:厚生労働省「勤務医の給料と開業医の収支差額について」

勤務医の給与収入の場合、間接経費は可処分所得より賄いますが、開業医の事業収入の場合、総収入より賄うことが可能です。すなわち事業用として経費化できる場合があります。同じ可処分所得の場合でも、差引所得可能額に差がでてきます。

具体例【内科・小児科】

開業後Aクリニック(都内・5年目)

平均患者数65人/日
医薬収入8,500万円
医薬品等1,700万円
人件費1,700万円
家賃600万円
リース料100万円
減価償却費100万円
その他経費1,000万円
差引利益4,200万円
専従者給与680万円
事業所得3,520万円
社会保険料74万円
その他所得控除150万円
所得税・住民税1,368万円
可処分所得2,858万円
借入返済額200万円
正味可処分所得2,658万円
正味可処分所得月額222万円

A先生の可処分所得

開業後5年目にして
可処分所得は倍増!
翌年には医療法人化されました

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