02開業までの流れについて
クリニックを取り巻く環境
クリニック市場をマクロ的に分析すると、これから開業を目指すドクターにとっては順風満帆とは言い難い環境です。
1.医療保険制度、診療報酬体系の見直し
国家財政における社会保障費の増加により診療報酬には下げの圧力がかかっています。
2.医療供給体制の見直し
休日・夜間診療をクリニックが担う時代に変わり始めています。
3.都心への人口集中と地方の過疎化による居住地の大きな変動
急速な少子高齢化・人口減少の進展に伴い、一部の都市部を除き、人口は減少傾向にあります。
4.開業のトレンド
都市部ではクリニック開設数が飽和状態に近づき、患者獲得競争の激化により、特徴なきクリニックが淘汰される事態も予想されます。
厳しい経営環境が予測されるからこそ、十分な調査・検討を重ね、実現性の高い事業計画を策定し、確実に開業準備を進める必要があるでしょう。
まずやるべきこと
開業を思い立ったらまずやるべきこと
私たちがお手伝いしてきたドクターからお話を聞いても開業を思い立った理由は「家族」、「医局」、「労働環境」と本当に様々です。しかし、この段階ではまだ「開業」を憧れのような存在に捉えているに過ぎません。今後10年以上に渡ってクリニックを経営していくという長い道のりを考えた場合、開業に憧れを持つだけではその道のりを歩んでいくのに不十分です。
開業を思い立ったら「なぜ開業をしたいのか」、「どのようなクリニックを作っていきたいのか」というコンセプトを明確にすべきです。そしてそのコンセプトを目標として突き詰めていくことが安定した開業準備と開業後の経営につながっていきます。
コンセプトが果たす役割
開業準備を進めていく中で、また、クリニック経営を行っていく中でドクターは様々な決断を迫られますが、コンセプトが唯一の判断基準となります。これは求められる決断の優劣が評価しにくいケースがほとんどだからです。
例えばクリニックの名称をどのようなものにするかという点を考えると、何れの名称をつけたとしても間違いであるとはいえません。しかしコンセプトに合致しているかという基準を設けることで判断がしやすくなります。
コンセプトがなければ判断に迷いが生じるだけではなく、それぞれの判断がばらばらになりかねません。
開業に関わる業務
開業のために必要な業務は多岐にわたりますが、主だったものを挙げると以下のようなものがあります。